2025年度の住宅補助金の目玉として、最大160万円という高額な補助で大きな注目を集めていた「子育てグリーン住宅支援事業」のGX志向型住宅区分。その補助金申請が、予想をはるかに上回るスピードで予算上限に達し、2025年7月22日をもって受付終了となりました。
受付開始が5月14日でしたので、わずか3ヶ月ほどでの終了となり、この制度への関心の高さがうかがえます。特に、賃貸住宅の申請受付が6月30日から始まったことで申請が急増したとみられています。
「GX志向型住宅での建築を検討していたのに…」と落胆されている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、まだ活用できる制度はあります。そして、来年度に向けて今から準備できることもあります。今回は、こうした状況を踏まえ、専門家の視点から「今からできること」を解説します。
まだ間に合う!現在申請可能な2025年度の補助金制度
GX志向型住宅の区分は終了しましたが、「子育てグリーン住宅支援事業」の他の区分や、関連する補助金制度は、まだ予算の上限に達しておらず、申請が可能です(2025年10月9日現在)。
- 子育てグリーン住宅支援事業(長期優良住宅・ZEH水準住宅) GX志向型ほどの性能は求められませんが、質の高い省エネ住宅である「長期優良住宅」や「ZEH水準住宅」も、引き続き補助金の対象です。
- 長期優良住宅:80万円/戸
- ZEH水準住宅:40万円/戸 これらも予算には限りがありますので、検討されている方は早めの行動が肝心です。
- リフォーム向け補助金 もしリフォームをご検討中であれば、「先進的窓リノベ2025事業」(最大200万円)や「給湯省エネ2025事業」などは、引き続き積極的な活用が推奨されています。
2026年度の補助金を見据え、今から準備を始める
GX志向型住宅への補助は、次世代住宅のスタンダードを後押しする重要な制度であり、来年度以降も形を変えて後継制度が実施される可能性は高いと見られています。もし、来年度の補助金活用を目指すのであれば、2025年の後半から準備を始めることが成功の鍵となります。
- なぜ今から? 補助金の申請は、例年春ごろ(4月~5月)に開始されます。しかし、注文住宅の場合、建築会社を選定し、プランを詳細に詰めて「建築確認申請」を提出するまでには数ヶ月の期間が必要です。春の申請ラッシュに間に合わせるためには、遅くとも年内(2025年後半~2026年初頭)には建築会社を決定しておくことが理想的です。
- 2026年度の補助金の見通し 環境省の概算要求などから、2026年度もZEH関連の補助金は継続される見込みです。
- ZEH+(ゼッチプラス):80万円/戸
- ZEH(ゼッチ):45万円/戸 「子育てグリーン住宅支援事業」のような大規模な後継制度についても、高性能住宅の普及に補助金は不可欠であるため、継続される可能性が高いと予測されています。
補助金ありきの計画ではなく、良い家づくりの計画を
GX志向型住宅の補助金が早期終了したという事実は、多くの方が高い性能を持つ住宅に関心を持っている証拠です。補助金は非常に魅力的ですが、「補助金が取れなかったから家づくりを諦める」のではなく、「補助金がなくても建てたいと思える、質の高い家」を計画することが、本質的に重要だと私たちは考えます。
私たちコバヤシ工業は、補助金の最新動向を常に把握し、お客様にとって最善の選択肢をご提案します。今年度の補助金活用を目指す方も、来年度を見据えてじっくり計画したい方も、ぜひ一度ご相談ください。お客様の理想の家づくりを、資金計画の面からもしっかりとサポートいたします。