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「準耐火建築物」とは?4つの種類とその性能をプロが解説

2025.10.09
「準耐火建築物」とは?4つの種類とその性能をプロが解説

前回の記事では、最も高い防火性能を持つ「耐火建築物」について解説しました。しかし、建物の規模や用途、地域によっては、耐火建築物ほどの性能は求められないものの、一定の防火性能が必要となる場合があります。その際に採用されるのが「準耐火建築物」です。

「準」という文字がつくため、性能が低いというイメージを持たれるかもしれませんが、一般的な木造建築物と比べるとはるかに火に強く、安全性を高める上で非常に重要な役割を果たします。今回は、この準耐火建築物の4つの種類と、それぞれに求められる性能について解説します。

「準耐火建築物」の基本的な考え方

準耐火建築物とは、火災が発生した際に、一定時間、火災の延焼を抑制する性能を持つ建物のことです。耐火建築物が「鎮火まで倒壊しない」ことを目指すのに対し、準耐火建築物は「一定時間燃え広がらない」ことで、安全な避難時間を確保することを主な目的とします。

建築基準法では、準耐火建築物はその構造方法によって、大きく「イ準耐」と「ロ準耐」の2つのグループ、さらに細かく4種類に分類されています。    

主要構造部が準耐火構造の「イ準耐建築物」

「イ準耐」は、建物の骨格となる主要構造部(壁、柱、床、梁など)を準耐火構造としたものです。

イ-2 準耐火建築物 主要構造部が準耐火構造であることに加え、建物の各部位に通常の火災が終了するまでの間(加熱開始後、壁・床・柱で45分、梁・屋根で30分など)、火災の延焼を防ぐために必要な性能が求められます。例えば、外壁(耐力壁)には45分間、床には30分間の耐火性能が必要です。

イ-1 準耐火建築物 主要構造部を準耐火構造とし、外壁の延焼のおそれのある部分や屋根に防火措置を講じた、より高い性能を持つタイプです。耐火建築物に次ぐ性能を持ち、木造3階建て共同住宅などにも採用されます。             

外壁や屋根の工夫で性能を確保する「ロ準耐建築物」

「ロ準耐」は、主要構造部を木造のままにできる代わりに、外壁や屋根、室内の壁や天井などを燃えにくい材料で覆うことで、建物全体としての防火性能を確保するタイプです。イ準耐よりも柔軟な設計が可能です。

ロ-2 準耐火建築物 主要構造部を不燃材料で作ることで、建物の骨格自体が燃えないようにした構造です。

ロ-1 準耐火建築物 外壁を耐火構造とし、屋根を不燃材料にするなど、外側からの火に特に強くした構造です。屋内の壁や天井は石膏ボードなどで覆い、室内の延焼を防ぎます。  

適切な防火設計で、安全とコストのバランスを

準耐火建築物は、求められる防火性能に応じて複数の選択肢があり、建物の用途や規模、コストに応じて最適な工法を選ぶことが可能です。一般的な木造住宅に比べて火災保険料が安くなるなど、経済的なメリットもあります。

私たちコバヤシ工業は、建築基準法に定められたこれらの複雑な規定を深く理解し、お客様の計画に最も適した防火設計をご提案します。安全で安心な家づくりのために、ぜひ一度ご相談ください。

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